国際文化きもの学会設立趣意書
我が国の風土の中で、千数百年の歳月に亘って育まれてきた、民族の肌ともゆうべき「きもの」には、数々の知恵と人々の経てきた歴史、文化が息づいています。
温かい人間の手で織られた布地、自然の美しさを再現した染織、単純で合理的に完成されたシルエット。
これらの一つ一つに、伝統と共に昇華された「きもの」そのものに日本人の心が深くこめられております。
「きもの」 その芸術性は、早くから世界の服飾界で高く評価されてまいりました。
しかし目まぐるしい社会の動きの中で「きもの」のもつ伝統美への関心が次第に薄らうで行く傾向にあると思います。
日本民族の貴重な資産である「きもの」を一層普及し、後世に伝えるのは、私たち現代人の責務とも言えましょう。
そこで、姉妹法人である学校法人「清水学園」の創立者・名誉会長であった故清水登美並びに学校長清水ときは、学園創立以来一貫してすべてを服飾教育に捧げてまいりましたが、その教育活動の中で日本の「きもの」界のため、「きもの文化・和文化を日本の社会の中で深く根ざしたものにしたい」との信念から学園創立六十周年(昭和四十九年)の機会に基金を寄付し、財団法人日本きもの文化協会」を設立、文部大臣より財団法人の認可を見るに至りました。先人から伝わる「きもの」に関する資料を収蔵し、あるいは「きもの」に関するあらゆる伝統的技術を保存育成して、後世に伝承すると共に、現代及び将来にわたり、広く一般の方々にご利用いただける館の建設という協会設立の主要の目的であった清水とき記念館「きもの芸術館」を平成五年に竣工いたし、この「きもの芸術館」の幅広い活用と、「きもの」の普及、「きもの」の指導者及び制作技術者の養成、強化、「ふるさと物創りの技術者」の擁護、指導育成、表彰、研修会、展示会、講演会、参考図書の刊行等、後世に伝えるべく邁進いたしてまいりました。
以来、平成二十年公益法人制度改革に伴い、作今の国内外のグローバル化が急激に進む状況をふまえ、国際社会に対し服飾文化の向上と、未来に向かってきもの文化の発展・伝承に貢献すべく内閣総理大臣の認可を頂き、平成二十五年四月一日より「一般財団法人国際文化きもの学会」と改称し「きもの」文化伝承を国内はもとより国際社会に向け我が国文化の発展に寄与する事が当学会の大きな目的です。
内閣総理大臣認可 一般財団法人国際文化きもの学会
理事長 清水都岐子(とき)
「清水とき・きもの芸術館」館長清水とき